イソトレチノインとは
イソトレチノイン(isotretinoin)は、ビタミンA誘導体に属する経口薬で、重症または難治性のニキビ(ざ瘡)に対する強力な治療オプションとして、米国皮膚科学会(AAD)や最新のガイドラインでも「標準的治療」の一つとして強く推奨されています。
主に以下の作用を通じてニキビを改善します:
・皮脂腺を縮小させ、皮脂分泌を抑制する
・毛穴(毛孔)の角化(詰まり)を改善し、コメド(詰まりニキビ)の形成を防ぐ
・抗炎症作用および免疫調節作用を通じて炎症性ニキビを沈静化
・結果としてアクネ菌(Propionibacterium acnes 等)の増殖を間接的に抑制
そのため、通常の保険診療で改善しない中等〜重度の炎症性ニキビ、再発を繰り返すニキビ、瘢痕化リスクの高い方などに対して有効性が期待されます。
実際、多くの報告で 1クール(通常約16〜24週) において炎症性病変が大幅に減少し、長期的再発率も低めに抑えられることが示されています。

当院が提供するイソトレチノイン治療の特徴
イソトレチノイン治療の行い方
必ず医師の診察を行う
必要に応じて診察・写真撮影・肌状態評価を行い、最適な開始量・増量計画を立案します。
個別最適化された用量設計と調整
イソトレチノイン治療は、一律ではなく、人それぞれの量調整が必要です。基本的には体重辺りで量は計算されますが、人によっては副作用を強く感じる場合もあるため、量の調整を肌状態を診ながら内服する必要があります。
安全性管理の徹底
– 初回処方時の採血(肝機能、脂質、血球、など)
– 内服開始後の1ヶ月目、その後2~3ヶ月ごと等の定期的な血液検査によるモニタリング
– 皮膚・粘膜の乾燥対策、保湿・保湿剤指導
アフターフォローと再発対策
– 内服終了後もそれ以外の肌の問題やお悩みに対してのカウンセリング
– 必要に応じて維持療法や併用治療の提案
どんな方にイソトレチノインが適応か
適応になり得る例
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他の治療(抗菌薬、外用療法など)で改善しなかった中等症〜重症炎症性ニキビ
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繰り返しニキビ・再発傾向が強い方
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瘢痕化しやすい肌質、心理的負担が大きい症例
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顔だけでなく、背中・胸部など広範囲の炎症性病変
イソトレチノイン治療ができない方
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妊娠中または授乳中
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妊娠の可能性がある女性で十分な避妊管理ができない場合
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重篤な肝疾患、慢性肝炎、脂質異常症が高度な場合
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高中性脂肪血症、未治療の高コレステロール血症
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活動性のうつ病や精神疾患の既往が強い場合(慎重検討)
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発育過程にある未成年者(骨成熟・成長への影響を考慮)
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他のビタミンA製剤との併用
治療の流れ
フェーズ | 目安期間 | 内容 |
---|---|---|
初診・カウンセリング | 1回 | 症状・既往・アレルギー確認、写真撮影、初回採血、説明 |
内服開始 | 2~4週 | 低用量からスタート、経過観察 |
調整期 | 4〜8週 | 効果・副作用を見ながら用量調整 |
持続期 | 12〜24週(あるいはそれ以上) | 目標累積用量に向けて継続内服 |
終了後フォロー
または維持療法 |
数ヶ月〜数年 | 再発チェック・スキンケア指導・必要時追加施術検討 |
※ これはあくまで典型例であり、お客様の状態・副作用耐性・目標治療量によって柔軟に変更されます。
効果の実感時期と再発率
-
多くの患者で 4〜6週間程度で炎症性病変の減少 を実感することが報告されています(初期反応として一時的な悪化を経験する方もいます)
-
1クール(通常16〜24週間)終了後、長期にわたって症状が改善した状態を維持できる方も多く、再発率は報告によって異なりますが、約 20〜30%程度 の再発例も報告されています
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再発や効果不十分な場合には、追加クールや併用療法を検討します。
- 副作用がつらい方は、低用量を少し長い期間行う方法もあります。
注意点・ご利用上の留意事項
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イソトレチノインは 日本国内で承認されていない医薬品(未承認薬) であり、薬機法上、公的保険適用外の自由診療となります。
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輸入・流通経路が明確でない製剤や個人輸入品には、品質・安全性のリスクが伴うため、信頼性のある医療機関を通じた処方が強く推奨されます。
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内服中は、日焼け防止対策・保湿ケア・定期検査を必ず継続してください。
-
敏感肌や他の皮膚治療(レーザー・光治療など)を同時に行う場合は、皮膚バリア低下のリスクがあるため、治療併用時期・強度については慎重に判断する必要があります。
イソトレチノインの詳細情報
- 主な副作用・リスクと注意点
(頻度が比較的高い/軽度の副作用) - 乾燥:口唇炎、口・鼻腔・眼の乾燥、皮膚乾燥・亀裂
鼻出血
眼の異物感、涙液減少
肌の赤み・刺激感
筋肉痛・関節痛・頭痛
脱毛、体毛変化
一時的なニキビ悪化(初期増悪現象) - 主な副作用・リスクと注意点
(重大な/希少だが注意が必要な副作用) - 肝機能障害、AST・ALT上昇
脂質異常(中性脂肪、コレステロール上昇)
消化器症状(胃腸障害、稀に肝膵)
視覚・聴覚異常
精神神経症状(うつ病、自殺念慮など)※因果関係は明確ではないが慎重にモニタリングが必要
先天奇形:妊娠中に内服すると流産・奇形のリスクが高まるため、妊娠中および授乳中の使用は絶対禁忌
頭蓋内圧亢進症状(稀)
これらを防ぐために、定期検査、避妊管理、症状出現時の速やかな対応が不可欠です。
よくあるご質問
- Qイソトレチノインを服用したら、肌がボロボロになりますか?
- A
初期に乾燥や赤み、場合によっては一時的な悪化(“初期増悪”)が見られることがありますが、適切な保湿管理と用量調整で多くは改善します。
- Qどれくらいの期間飲む必要がありますか?
- A
通常は 16〜24 週間を 1 クールとすることが多いですが、症状や体重・耐性に応じて 8~12 ヶ月、あるいはそれ以上継続する場合もあります。
- Q再発しますか?
- A
完全に再発ゼロとは言えませんが、再発率は比較的低く、治療後のニキビ数・重症度はかなり改善していることが多いです。
- Q妊娠を希望していますが、いつ安全にできますか?
- A
通常、内服中および終了後一定期間(当院基準であれば 2か月間)避妊を徹底していただきます。
- Q他の治療(レーザーや光治療など)は並行できますか?
- A
一部は慎重に併用を検討できますが、皮膚バリアが低下している時期には光刺激や炎症リスクが高まるため、同時期には控えるか出力を抑えることが一般的です。
イソトレチノイン
イソトレチノイン
- イソトレチノイン10㎎
- 30錠
13,000円(税込 14,300円)
会員価格8,000円(税込 8,800円)
- イソトレチノイン20㎎
- 30錠
15,000円(税込 16,500円)
会員価格10,000円(税込 11,000円)
- 処方血液検査 ※必須
3,000円(税込 3,300円)
※処方の際に必ず血液検査をしていただきます。その後1か月後にも血液検査をさせていただき、継続可能か判断致します。その後は2~3ヶ月おきに血液検査を推奨しております。
イソトレチノインの副作用として肝機能異常や膵炎・胆道系酵素上昇、脂質の可能性があるため、患者様の命を守るためです。ご理解お願いいたします。
半年以内の健康診断等の血液検査をご持参の場合は、初回の血液検査として代用可能です。
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