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単純に見えて奥が深い糸リフトについてのお話②
リフト・輪郭・小顔の手術
投稿⽇:2022.09.06 最終更新⽇:2024.10.03
こんにちは。土屋です。 前回に引き続き、今回も糸リフトや、ショッピングリフトについてお話しようと思います。 ネットの記事や、適当なHPは効果などが誇大されて書かれていることもあるので、吟味しながら 情報を取捨選択しましょう。
目次
糸リフトとショッピングリフトの違い
まず 人の顔は 表面から 表皮⇒真皮⇒皮下脂肪⇒筋膜⇒筋肉⇒骨膜⇒骨 となっています。これを少し頭に入れていただいた上で
糸リフト
前回のブログに記載ありますが、COG型やARROW型、TOOTH型などの『かえし』がついた糸を、皮下脂肪の深さ~どれだけ深くても筋膜に触れるくらい。に挿入し、下垂した組織をリフトアップしていきます。
ショッピングリフト
基本的には『かえし』はついてない糸を真皮深層~皮下脂肪層浅層に挿入することにより、リジュビネーション効果、ボリューマライゼーションを狙って挿入します。通常の糸リフトと比較すると、ショッピングリフトに使用する糸は10分の1以下の細さだったりするので、分解されるまでの期間も短く、1~3か月に1回を目安に行います。ここで重要なのは、『かえし』がついていない糸を真皮層に挿入するので明らかなリフトアップは期待できないということです。患者さんでたるみを治すためにリフトアップ目的にと言われる方がいらっしゃいますが、なかなか難しいです。(特殊過ぎて割愛しますが)挿入技術として、ショッピングリフトでリフトアップを目指すような挿入方法もあるにはあるのですが、それをするなら糸リフトした方がよいのでは?と個人的には思います。
少し特殊な糸リフトとショッピングリフト
①デュアルアーム(糸リフト)
ダブルアームやデュアルアームと呼ばれていて、糸の両端に長い針がついています。
日本ではPCLのARROW型デュアルアームである アンカーデラックスダブル が少し有名ですね。
もちろんPDOのデュアルアームもありますし、糸もCOG型、ARROW型あります。
デュアルアームの特徴は、通常の一般的な糸リフトよりも糸の長さが2倍くらいあることです。
当然糸が長いほど、固定力はあがっていきます。(適切な場所に留置した場合)
また両端に針があることで、取り回しがよく、糸に角度をつけたり、対称性に挿入することが可能です。
例えば
顎下の真ん中から両側耳の下まで挿入して顎下を引き締めていったり、
通常の一般的な糸リフトのようにコメカミのところから挿入し、一方はたるみがあるところへ、もう一方は側頭部へ挿入していき、2倍くらいある長さを生かして固定力をあげたり、
さまざまな使用方法があります。
②2重糸(糸リフト)
これはかなり特殊な糸で、日本でも使用しているDrをほとんど見たことがありません。 ループ状になっている糸を挿入することで、目標点の引っ掛かりを強化する目的と、固定点側は、二股になっているかつ、『かえし』がついているので、固定点側に穴を2つ作り皮下を通すことで、その『かえし』が固定点側でも引っ掛かり、フローティングタイプの糸(どこかに縫い付けるのではなく、浮いている糸の事、今日本で行われている糸リフトのほとんどがフローティングタイプの糸)ながら固定点強化ができるというものですが、 試行錯誤した結果、通常の糸を2本挿入して、結紮するのとあまり変わらないと判断し、 メニューには入れていません。今後もこの糸の有用性が見いだせたら活用していきます。
③ショッピングリフト MONO
ショッピングリフトのMONO型というものです。 一番最初に開発されたものになります。USP7-0~5-0くらいまでの細い糸を、密に真皮層に挿入することにより、リジュビネーションやボリューマライゼーションを狙っていきます。 冒頭で説明したように、『かえし』がついてない事で、リフトアップを狙っては基本的に使用しません。密に何十本~何百本をいれることで、コラーゲンの層を作っていくようなイメージです。 同じ場所に大量に入れて、それによる瘢痕収縮で狙いのたるみを引き締めるような挿入方法もありますが、個人的にはあまり行いません。 またショッピングリフトにも通常の糸リフトと同様にPDO、PCL、PLAとありますが、 個人的には リジュビネーションやボリューマライゼーションを狙うのであれば、分解までの期間が短いものを 短い周期で行う方が、コラーゲンやエラスチンの増生には有利と思っているので、 あえて、リフティングではないのに、分解時間が長いものを選ぶ理由がなく、硬さに関してもUSPが細いので、違和感はPDOでもでないので、当院の採用はPDOのみです。
④ショッピングリフト SCREW
ショッピングリフトのSCREW型というものです。 挿入方法などはMONO型とほとんど同じですが、SCREW型はボリューマライゼーションの効果がMONO型より優れていると言われています。 理由としては、当然のことですが、SCREW型は糸が渦巻き状に巻かれています。 それによって、同じ 3㎝の針の長さのMONO型の糸の長さと 3㎝の針の長さのSCREW型の糸の長さは2倍くらいSCREW型の方が長いのです。 そんなの当たり前だろと皆さん思うと思いますが、 この技術や構造の違いはかなり画期的で 例えば、とても単純に話しますが、頬などは3㎝くらいしか入れる距離がないんですけど、そこに、2倍の糸が入るという事は、 2倍のボリューマライゼーションの効果があるということになります。 僕はこれにとても興奮するのですが、スタッフに言ってもふーんという感じでしょんぼりした記憶があります。 ただ、どうしても針の太さが太くなってしまうので、痛みや違和感はMONO型より少し出やすくなります。
⑤ショッピングメッシュ
これは前述2つのショッピングリフトとは少し使用用途が変わって、 ボリューマライゼーションが主な効果の糸になります。 イメージとしてはショッピングリフトはHIFUシャワーやダーマペンだったりのようにハリを出したり、リジュビネーション目的に使用するのに対して、 これから紹介する2つは、どちらかというと、脂肪注入やヒアルロン酸のようなボリュームを出すような目的で使用するようなイメージです。 ※細かく説明すると用途も仕上がりも全然ちがうので、あくまで方向性のイメージです。 MESH型の糸をほうれい線、マリオネットライン、深いゴルゴラインに挿入することで ボリューマライゼーションを期待します。 MESH型はTESSリフトでも使用されている(TESSリフトはCOGのMESHがある2重構造)ですが、組織がMESHの中に入り込むことにより、コラーゲンやエラスチンの増生が期待されます。 ただ前述の通り、脂肪注入や、ヒアルロン酸の代わりになるものではないので、併用したりしていきます。
⑥ショッピングマルチ
MULTI型の糸です。MONO型に使用される太さの糸が7~10本まとまっています。 こちらもボリューマライゼーションを主な効果として使用します。 浅いゴルゴライン、眼窩縁、眉間の縦ジワなどに挿入することにより、ボリューマライゼーションを期待します。
まとめ
本日は少し特殊な糸と、ショッピングリフト等に関して説明しました。このように何万通りの組み合わせがあるものを、場所に応じて組み合わせていくことで、完成度の高い糸リフトの施術をすることができます。単一の糸で何も考えずに挿入するのが一番医者にとっては、楽で時間がかかりませんが、患者さんへの効果を考えた時に最大限の効果が出せるように今後も邁進していきます。
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