静脈麻酔・安全な麻酔管理なら名古屋駅近の【RosaBeautyClinic】
静脈麻酔・安全な麻酔管理
安全な静脈麻酔とその他設備|名古屋のRosa Beauty Clinic
美容医療において、仕上がりと同じくらい大切なのが「安全性」です。
特に脂肪吸引、豊胸、フェイスリフト、皮膚切除などの手術では、施術中の痛みや不安を軽減するために、局所麻酔・笑気麻酔・静脈麻酔などを組み合わせて行うことがあります。
しかし、麻酔は決して「ただ寝るだけ」のものではありません。
麻酔薬は、痛みや不安を和らげる一方で、使い方を誤れば、
- 呼吸抑制
- 血圧低下
- 不整脈
- 嘔吐・誤嚥
- アレルギー反応
- 局所麻酔中毒
- 再鎮静
- 鎮静が深くなりすぎたことに気づけない
- 呼吸抑制を早期に発見できない
- 気道確保や換気補助に移れない
- 原因と違う対応をしてしまう
- 必要なモニターや救急器具がない
- 麻酔後のリカバリー管理が不十分
◆麻酔の三原則
麻酔には大きく分けて、以下の3つの要素があります。① 鎮静
鎮静とは、不安や緊張を和らげ、意識レベルを下げることです。 いわゆる、- ぼーっとする
- 眠くなる
- 施術中の記憶が曖昧になる
- 眠っているような状態になる
- 不安が強い
- 体動が出る
- 恐怖感が残る
- 施術中の苦痛が強い
- 呼吸抑制
- 舌根沈下
- 酸素低下
- 血圧低下
- 覚醒遅延
- 再鎮静
② 鎮痛
鎮痛とは、痛みを抑えることです。 ここで非常に大切なのは、 「眠っていること・意識がないこと」と「痛みが取れていること」は別である ということです。 例えば、プロポフォールは非常に優れた鎮静薬ですが、痛みを取る作用はほとんどありません。 つまり、プロポフォールだけで眠っていても、身体は痛み刺激に反応します。 その結果、- 血圧が上がる
- 脈が速くなる
- 体動が出る
- 術中の反応が強くなる
- 追加の鎮静薬が必要になる
- 局所浸潤麻酔
- 区域ブロック麻酔
- フェンタニルなどの鎮痛薬
- アセトアミノフェン
- NSAIDs
- ケタミンなどの補助薬
③ 筋弛緩
筋弛緩とは、筋肉の緊張を和らげることです。 全身麻酔では、手術内容によって筋弛緩薬を使用することがあります。 しかし、美容クリニックの日帰り手術では、一般的に全身の筋弛緩薬を使用するケースは限られます。 筋弛緩薬を使用すると、自分で呼吸するために必要な筋肉も動きにくくなるため、原則として人工呼吸管理が必要になります。 そのため当院では、通常の静脈麻酔で安易に筋弛緩薬を使用する運用はしていません。 美容外科の日帰り手術において重要なのは、- 適切な鎮静
- 十分な局所麻酔
- 必要最小限の鎮痛薬
- 呼吸を保った安全な麻酔管理
- 麻酔薬の合併症を最大限減らし安全に帰宅してもらう術後管理

◆静脈麻酔と全身麻酔の違い
麻酔の説明でよく誤解されるのが、 「静脈麻酔」と「全身麻酔」は別物である という考え方です。 結論から言うと、これは正確ではありません。◆静脈麻酔とは
静脈麻酔とは、血管から薬剤を投与して鎮静・麻酔を行う方法です。 つまり、静脈麻酔という言葉は、 「薬剤をどこから入れるか」 を表しています。 静脈から入れる薬剤としては、- ミダゾラム
- プロポフォール
- デクスメデトミジン
- ケタミン
- フェンタニル
◆吸入麻酔とは
吸入麻酔とは、麻酔ガスを吸って麻酔を行う方法です。 つまり吸入麻酔も、 「薬剤をどこから入れるか」 を表しています。 静脈麻酔と吸入麻酔は、薬剤の投与経路が違います。- 血管から入れるのが静脈麻酔
- 肺から吸うのが吸入麻酔
◆全身麻酔とは
一方で、全身麻酔とは、 「意識がなく、痛み刺激でも起きない・呼吸も抑制されている深い麻酔状態」 を指します。 つまり全身麻酔という言葉は、 「薬剤の入れ方」ではなく、 「患者様がどの深さの麻酔状態にあるか」 を表しています。 全身麻酔は、吸入麻酔でも作れます。 静脈麻酔でも作れます。 つまり、- 吸入麻酔による全身麻酔
- 静脈麻酔による全身麻酔
◆静脈麻酔中に全身麻酔の状態になることがあります
ここが非常に重要です。 静脈麻酔という言葉を聞くと、 「全身麻酔ではないから安全」 「軽い麻酔だから大丈夫」 と思われる方がいます。 しかし実際には、静脈麻酔を行っている最中でも、薬剤の量や体質によって鎮静が深くなれば、全身麻酔に近い状態になることがあります。 麻酔の深さは、- 起きている
- 少し眠い
- 声かけで反応する
- 強い刺激で反応する
- 痛み刺激でも反応しない
- 自発呼吸を保てる範囲
- 気道確保が必要にならない範囲
- カプノメーターで呼吸を監視できる範囲
- 緊急時にすぐ対応できる範囲

◆当院で行う麻酔の種類
当院では、施術内容・痛みの程度・手術時間・お客様の体質・既往歴・安全性を考慮し、麻酔方法を選択しています。 主な麻酔方法は以下の4つです。① 笑気麻酔単体
笑気麻酔は、鼻から笑気ガスを吸入することで、不安や痛みを軽減する麻酔です。 意識は保たれたままで、- 緊張が和らぐ
- ぼーっとする
- 痛みへの不安が軽くなる
- 処置への恐怖感が減る
- 注射処置
- 軽い美容皮膚科施術
- 短時間の外科処置
- 痛みに弱い方の補助
② 浅い鎮静静脈麻酔+局所浸潤麻酔
カプノメーター使用
使用薬剤例:ミダゾラム+プレセデックス+局所麻酔 等
浅い鎮静静脈麻酔は、意識を完全に落とすのではなく、緊張や不安を和らげ、眠気を感じる程度に調整する麻酔です。 局所浸潤麻酔をしっかり効かせることで、痛みを局所で抑え、静脈麻酔を深くしすぎないようにします。 この麻酔では、- 鎮静は浅め
- 呼吸は自分で保つ
- 局所麻酔で痛みを抑える
- カプノメーターで呼吸を監視する
③ 複数の強い静脈麻薬鎮痛薬+鎮静静脈麻酔+局所浸潤麻酔
カプノメーター使用+BISシステム使用
使用薬剤例:フェンタニル+プロポフォール+プレセデックス+局所麻酔 等
痛みが強い施術や、広範囲の施術では、局所麻酔だけでなく、静脈麻薬鎮痛薬を組み合わせることがあります。 この方法では、- フェンタニルによる鎮痛
- プロポフォールによる鎮静
- プレセデックスによる鎮静補助
- 局所麻酔による痛みの遮断
④ 麻酔科医によるBIS併用完全静脈麻酔
カプノメーター+BISシステム使用
使用薬剤例:フェンタニル+プロポフォール+プレセデックス+局所麻酔+区域ブロック麻酔
より侵襲の大きい手術や、長時間の手術では、麻酔科医による完全静脈麻酔を行う場合があります。 完全静脈麻酔とは、吸入麻酔薬を使わず、静脈から投与する薬剤で麻酔を維持する方法です。 この場合でも、単純にプロポフォールを大量に使用するのではなく、- 鎮静
- 鎮痛
- 局所麻酔
- 区域ブロック麻酔
- 呼吸管理
- 循環管理
- 麻酔深度管理

◆プロポフォール単体ではなく、プレセデックスを組み合わせる理由
通常の美容外科では、プロポフォール単体で鎮静を行っているクリニックも少なくありません。 プロポフォールは、- 作用発現が速い
- 覚醒が早い
- 調整しやすい
- 呼吸抑制
- 血圧低下
- 鎮痛作用がない
- 投与量が増えると深くなりやすい
- 自然な眠りに近い鎮静
- 呼吸抑制が比較的少ない
- 鎮痛補助作用がある
- 交感神経反応を抑えやすい
- 他の鎮静薬や鎮痛薬の必要量を減らせる可能性がある
- 徐脈
- 血圧低下
- 覚醒まで時間がかかる
- 投与方法に注意が必要
- プロポフォールだけに頼らない
- 局所麻酔をしっかり効かせる
- プレセデックスを組み合わせる
- フェンタニルの使用量を必要最小限にする
- 呼吸抑制を起こしにくい設計を行う
◆フェンタニルを減らすためにも、局所麻酔とプレセデックスを重視します
フェンタニルは医療麻薬に分類される非常に強力な鎮痛薬です。 脂肪吸引や豊胸など、痛みを伴う手術では有用な薬剤です。 しかしフェンタニルを含むオピオイドは、- 呼吸抑制
- 悪心・嘔吐
- 眠気
- 血圧低下
- 徐脈
- 再鎮静
- 局所浸潤麻酔
- 区域ブロック麻酔
- プレセデックス
- アセトアミノフェン
- NSAIDs
- 必要最小限のフェンタニル
◆PONVを抑えるための工夫
静脈麻酔後にお客様がつらいと感じやすい症状の一つに、PONV
があります。 PONVとは、Postoperative Nausea and Vomitingの略で、日本語では「術後悪心・嘔吐」と呼ばれます。 簡単に言うと、- 手術後に気持ち悪い
- 吐き気がする
- 実際に吐いてしまう
- 帰宅後もムカムカが続く
- 血圧上昇
- 創部への負担
- 出血リスク
- 脱水
- 誤嚥リスク
- 帰宅困難
◆PONVが起こる原因
PONVは一つの原因だけで起こるものではありません。 関係する要素として、- 麻酔薬
- 鎮痛薬
- 手術侵襲
- 体質
- 乗り物酔いのしやすさ
- 過去の麻酔後の吐き気
- 脱水
- 術後痛
- 不安
- 血圧変動
麻薬性鎮痛薬の使用量
です。 フェンタニルなどのオピオイド系鎮痛薬は、手術中の痛みを抑えるために非常に有用です。 しかし一方で、オピオイドは、- 吐き気
- 嘔吐
- 眠気
- 呼吸抑制
- 便秘
- 再鎮静
◆麻薬投与量を可能な限り少なくする
当院では、PONVを減らすためにも、フェンタニルなどの麻薬性鎮痛薬を必要最小限にすることを重視しています。 ただし、これは「痛みを我慢させる」という意味ではありません。 痛みを我慢させるのではなく、- 局所浸潤麻酔
- 区域ブロック麻酔
- プレセデックスやプロポフォール
- アセトアミノフェン
- NSAIDs
◆デキサメタゾンの予防投与
PONV予防では、手術中からの予防投与も重要です。 当院では、お客様の状態や施術内容に応じて、デキサメタゾン
を予防的に使用することがあります。 デキサメタゾンはステロイド薬の一種ですが、麻酔領域ではPONV予防薬として広く使用されています。 デキサメタゾンには、- 術後悪心・嘔吐の予防
- 炎症反応の軽減
- 腫れの軽減
- 鎮痛補助
- オピオイド使用量の軽減
- 糖尿病
- 血糖コントロール不良
- 感染リスク
- ステロイド使用に注意が必要な既往
- 胃潰瘍などの既往
◆カイトリルなどの制吐薬を使用
PONV対策では、制吐薬の使用も重要です。 当院では、お客様の状態や施術内容に応じて、カイトリル
を使用することがあります。 カイトリルは、一般名をグラニセトロンといい、5-HT3受容体拮抗薬に分類される制吐薬です。 5-HT3受容体は、吐き気や嘔吐に関わる経路の一つです。 カイトリルはその経路をブロックすることで、術後の吐き気や嘔吐を抑える目的で使用されます。 特に、- 過去に麻酔後に吐き気が強かった方
- 乗り物酔いしやすい方
- 静脈麻酔後の吐き気が心配な方
- 手術範囲が広い方
- オピオイド使用が必要になりやすい方
◆プリンペランなどの注射薬
当院では、必要に応じて、プリンペラン
を使用することもあります。 プリンペランは、一般名をメトクロプラミドといい、吐き気・嘔吐に対して使用される薬剤です。 メトクロプラミドは、ドパミン受容体への作用や消化管運動への作用を通じて、吐き気を抑える目的で使用されます。 カイトリルとは作用する経路が異なるため、症状やリスクに応じて使い分けることがあります。 PONVでは、吐き気に関わる経路が一つではありません。 そのため、- セロトニン系
- ドパミン系
- ヒスタミン系
- アセチルコリン系
- サブスタンスP系
◆補液による脱水予防
PONV対策では、補液も重要です。 手術前は絶食・飲水制限があるため、体内の水分量が少なくなっていることがあります。 さらに手術中には、- 発汗
- 出血
- 呼吸による水分喪失
- チュメセント液の影響
- 麻酔薬による血圧変動
- 血圧が不安定になる
- 気分不快が起きやすい
- 吐き気が出やすい
- 覚醒後のだるさが強くなる
◆術後リカバリーでの吐き気対策
PONVは、手術室の中だけでなく、リカバリールームでも起こります。 静脈麻酔後は、一度目が覚めたように見えても、- 眠気
- ふらつき
- 吐き気
- 血圧低下
- 再鎮静
- 制吐薬の追加
- 補液
- 血圧確認
- 酸素投与
- 体位調整
- バイタル観察
◆当院のPONV対策
当院では、PONVを減らすために、以下を重視しています。- フェンタニルなどの麻薬性鎮痛薬を必要最小限にする
- 局所麻酔をしっかり効かせる
- プレセデックスやプロポフォールを併用し、鎮静薬・鎮痛薬の量を容易に増やさない
- 術前のデキサメタゾンで予防する
- 必要に応じてカイトリルを使用する
- 必要に応じてプリンペランを使用する
- 術中・術後に適切な補液を行う
- リカバリールームでも状態を観察する
- 吐き気が出た場合に追加対応できる薬剤を準備する

◆当院の静脈麻酔・麻酔管理へのこだわり
静脈麻酔と麻酔管理
脂肪吸引は基本的に静脈麻酔によって行われます。 そして、ほとんどが日帰り手術です。 お客様を施術中には快適に、そして、施術後には安全に帰宅してもらう事が必要不可欠です。 昨今ニュースでも話題になりましたが、美容クリニックでの杜撰で稚拙な麻酔管理によって、死亡事故が起こっています。 当院では、開業以来、死亡事故が起きたことはもちろんありませんが、麻酔というのは軽く考えると本当に危ないものです。 例えば、お客様自身も気付いていない隠された持病や、薬に対してのアレルギー反応等がありえます。 その場合には、どれだけ麻酔の手技自体が完璧に行われていたとしても、緊急事態になってしまう事もあります。 誰にも完全な予測はできないのです。 そこで、クリニックとしてはどうすれば良いのか。◆① 最大限の生体モニターを用意する
生体モニターとカプノメーター
静脈麻酔中のお客様は、当然、自分で麻酔の効き具合や痛みの度合いを申告することは難しいです。 また、静脈麻酔の鎮静が強すぎれば、呼吸抑制といって、呼吸が止まってしまう事もあります。 鎮静、いわゆる「意識がない間」には、モニターの数値が、お客様の安全を見守ってくれています。 手術室で、患者さんにたくさんの機械が取り付けられているのを見ると思います。 それを「生体モニター」といいます。 生体モニターには、機械によって測定できる項目が違います。 一般的な美容クリニックで使われている生体モニターでは、- 血圧
- 酸素飽和度
- 脈拍
- 心電図
- 呼吸数
◆カプノメーターの重要性
静脈麻酔を行う場合には、上記に加えて、カプノメーター
が最低限必要だと当院は考えています。 カプノメーターとは、呼気中の二酸化炭素を測定し、呼吸が正常に行われているかを確認するモニターです。 よく病院で指先に装着するものは酸素飽和度モニターと言います。 酸素飽和度は、血液中に酸素がどれくらいあるかを見る数値です。 一方、カプノメーターは、呼吸によって二酸化炭素がきちんと吐き出されているかを見る数値です。 つまり、- 酸素飽和度:酸素が足りているかを見る
- カプノメーター:呼吸ができているかを見る
- 呼吸停止から時間が経つほど脳障害のリスクが高まる
- 心停止からの時間が長くなるほど救命率は低下する
◆BISモニターによる麻酔深度管理
そして、カプノメーターはあくまで最低限です。 当院ではさらに、BISモニター
を導入しています。 BISモニターとは、脳波を解析し、麻酔の深さを数値化する装置です。 0から100までの数値で表示され、- 100に近いほど覚醒に近い状態
- 数値が低いほど麻酔が深い状態
- 体格
- 性別
- 年齢
- 人種
- お酒の強さ
- 肝機能
- 腎機能
- 普段の内服薬
- 睡眠薬や抗不安薬の使用歴
- 体内で薬を分解する酵素
- その日の体調
- 痛みが原因
- 局所麻酔が足りない
- 体位がつらい
- 鎮静は十分だが反射で動いている
- 呼吸状態が悪い
◆② 様々な状態に対応できる薬剤を用意する
様々な状態に備える必要性
美容クリニックで静脈麻酔として使われる麻酔薬には、- プロポフォール
- ミダゾラム
- プレセデックス
- ケタミン
- フェンタニル
- アセトアミノフェン
- NSAIDs
- その他の鎮痛薬
- 血圧が上がる
- 血圧が下がる
- 脈拍が上がる
- 脈拍が下がる
- 体温が上がる
- 体温が下がる
- 呼吸数が増える
- 呼吸数が減る
- 鎮静が深い
- 鎮静が浅い
- 体動が増える
- 体動が減る
- 分泌物が増える
- 麻酔による術後の吐き気
- 局所麻酔中毒
- アナフィラキシーショック
- 喘息発作
- 低血糖
- 大量出血
- 致死性不整脈
- 悪性高熱症
- 強い血圧低下
- 呼吸停止
- 気道閉塞
◆③ 術後の安全性の確保
術後も気が抜けない麻酔管理
手術が終わって麻酔を切っても、身体の中にはまだ薬剤が残っています。 静脈麻酔後は、リカバリールームで休んでいただきます。 静脈麻酔では、- 眠気
- ふらつき
- 吐き気
- だるさ
- 一時的な血圧低下
- 呼吸が浅くなる
再鎮静
です。 再鎮静とは、一度意識がはっきりしたように見えても、後からもう一度眠気が強くなる状態です。 この場合、多くは眠ってしまう程度ですが、万が一、- 舌根沈下
- 呼吸抑制
- 嘔吐
- 誤嚥
◆④ 万が一の対応
緊急の状態に備えて
ここまでの対応をしていても、それでも何かが起こる可能性は0%にはできません。 「救急搬送0」 「無事故」 を売りにしているクリニックもあります。 当院でも現在までは、救急搬送や死亡事故はありません。 しかし、今までが大丈夫だからといって、今後も必ず大丈夫とは限りません。 どれだけ慎重に対応していても、予想外の事態が起こる可能性を完全に0%にすることはできないと当院は考えています。 大切なのは、 何も起こらないと言い切ること ではありません。 大切なのは、 『何かが起こった時に、お客様の命を守る準備をしていること』 です。 当院では、不測の事態が起こった場合にも対応できるよう、様々な器具を用意しています。◇ラリンジアルマスク(i-gel)
ラリンジアルマスクは、口から挿入して気道を確保するための器具です。 i-gelは、体温で密着しやすい構造を持ち、緊急時の気道確保に役立ちます。 呼吸が弱くなった時、舌根沈下が起きた時、バッグバルブマスクだけで換気が難しい時に、気道確保の選択肢として重要です。◇ビデオ喉頭鏡
ビデオ喉頭鏡は、声門周囲をカメラで確認しながら挿管するための器具です。 通常の喉頭鏡では見えにくい場合でも、画面で確認しながら挿管できるため、万が一の気道確保に役立ちます。 美容クリニックであっても、静脈麻酔を行う以上、万が一の挿管準備は必須です。 その際に、マッキントッシュという通常の安価な喉頭鏡をとりあえず置いているクリニックもありますが、 麻酔科医を対象にした、論文でも、通常のマッキントッシュ喉頭鏡よりも、ビデオ喉頭鏡の方が、優位に成功率が高かったという研究もあります。 毎日、挿管をしている麻酔科医師でも差があるのですから、ビデオ喉頭鏡を揃えるべきです。◇AED
AEDは、心停止や致死性不整脈が起きた際に使用する救命機器です。 心停止では、数分が生死を分けます。 すぐに使用できるよう、当院では手術室に常設しています。 救急搬送0を売りにするよりも、何が起こってもお客様の命を守る。 その準備の方が、搬送をしないことよりも当然大事です。
◆当院が考える「安全な麻酔」とは
当院が考える安全な麻酔とは、 「絶対に何も起こらない麻酔」 ではありません。 医療である以上、絶対はありません。 お客様の状態は一人一人違います。- 持病
- 内服薬
- アレルギー
- 睡眠薬の使用歴
- お酒の強さ
- 肝機能
- 腎機能
- 体格
- 年齢
- 既往歴
- 当日の体調
- 起こり得ることを全て想定する
- 早く気づくためのモニターを最大限用意する
- 気づいた時に対応できる薬剤を最大限準備する
- 気道確保できる器具を最大限準備する
- 麻酔深度を数値で確認する
- 術後もモニター管理する
- 麻酔科医が必要な症例では麻酔科医管理にする
◆麻酔方法の選び方
麻酔方法は、単に「お客様が眠りたいかどうか」だけで決めるものではありません。 当院では、- 施術の痛み
- 手術時間
- 手術範囲
- 出血リスク
- 体位
- お客様の不安の強さ
- 既往歴
- 内服薬
- 呼吸器疾患の有無
- 肥満度
- 睡眠時無呼吸の可能性
- アレルギー
- 術後帰宅の安全性
◆まとめ
美容医療における麻酔は、ただ眠るためのものではありません。 安全な麻酔とは、- 鎮静
- 鎮痛
- 呼吸管理
- 循環管理
- 麻酔深度管理
- 術後管理
- 万が一への備え
- カプノメーター
- BISモニター
- 生体モニター
- 緊急薬剤
- i-gel
- ビデオ喉頭鏡
- AED
- リカバリー中のモニター管理
- 麻酔科医による完全静脈麻酔体制
◆参考文献
◆参考文献・参考情報
- American Society of Anesthesiologists. Continuum of Depth of Sedation: Definition of General Anesthesia and Levels of Sedation/Analgesia.
- American Society of Anesthesiologists. Standards for Basic Anesthetic Monitoring.
- Practice Guidelines for Moderate Procedural Sedation and Analgesia.
- Lightdale JR, et al. Microstream capnography improves patient monitoring during moderate sedation: a randomized, controlled trial. Pediatrics. 2006.
- Burton JH, et al. Does end-tidal carbon dioxide monitoring detect respiratory events prior to current sedation monitoring practices? Academic Emergency Medicine. 2006.
- Tinker JH, et al. Role of monitoring devices in prevention of anesthetic mishaps. Anesthesiology.
- Blaudszun G, et al. Effect of perioperative systemic alpha-2 agonists on postoperative morphine consumption and pain intensity: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Anesthesiology. 2012.
- Dexmedetomidine: its use in intensive care medicine and anaesthesia. BJA Education. 2016.
- Clinical Pharmacokinetics and Pharmacodynamics of Dexmedetomidine. Clinical Pharmacokinetics. 2017.
- Gan TJ, et al. Fourth Consensus Guidelines for the Management of Postoperative Nausea and Vomiting.Anesthesia & Analgesia. 2020.
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- Apfel CC, et al. Evidence-based analysis of risk factors for postoperative nausea and vomiting.British Journal of Anaesthesia. 2012.
- Weibel S, et al. Drugs for preventing postoperative nausea and vomiting in adults after general anaesthesia: a network meta-analysis.Cochrane Database of Systematic Reviews. 2020.
- Jewer JK, et al. Supplemental perioperative intravenous crystalloids for postoperative nausea and vomiting.Cochrane Database of Systematic Reviews. 2019.
- Wallenborn J, et al. Prevention of postoperative nausea and vomiting by metoclopramide combined with dexamethasone. 2006.
よくあるご質問
- QQ. 静脈麻酔と全身麻酔は違いますか?
- AA.完全に別物ではありません。 静脈麻酔は「血管から薬を入れる方法」を指します。 全身麻酔は「痛み刺激でも起きず、呼吸抑制がかかっている深い麻酔状態」を指します。 静脈麻酔でも、薬剤量や反応によって全身麻酔に近い深さになることがあります。
- QQ. 静脈麻酔は絶対に安全ですか?
- AA. 適切なモニター、薬剤、設備、対応力があれば安全性を高めることはできます。 しかし、静脈麻酔は呼吸抑制や血圧低下などのリスクがあるため、軽く考えてよい麻酔ではありません。絶対に問題のない麻酔方法ではなく、万が一の事が起こっても対応できるクリニックで行うべきです。
- QQ. プロポフォールだけで眠る麻酔は危ないですか?
- AA.プロポフォールは非常に有用な薬剤ですが、鎮痛作用がほとんどなく、投与量が増えると呼吸抑制や血圧低下が起こりやすくなります。美容外科で起きている麻酔事故のほとんどが、プロポフォール等の鎮痛薬を大量に投与してしまったことによって起こっています。 当院では、局所麻酔・プレセデックス・必要最小限の鎮痛薬を組み合わせ、プロポフォール単体に頼りすぎない設計を重視しています。
- QQ. プレセデックスは安全な薬ですか?
- AA.プレセデックスは呼吸抑制が比較的少ない鎮静薬として知られていますが、徐脈や血圧低下などの副作用があります。 安全な薬というより、「特徴を理解して適切に使うべき薬」です。
- QQ. カプノメーターはなぜ必要ですか?
- AA.酸素飽和度は、呼吸が止まってから下がるまでに時間差があります。 カプノメーターは呼気中の二酸化炭素を測定するため、呼吸が弱くなったり止まったりしたことを早期に把握しやすくなる。「呼吸をしているかどうか」を早急に判断できる機器だからです。
- QQ. BISモニターはなぜ必要ですか?
- AA.BISモニターは脳波を解析し、麻酔の深さを数値化する装置です。 鎮静薬の効き方や身体の反応には個人差があるため、感覚だけでなく数値を参考に麻酔深度を管理することが重要です。
- QQ. 麻酔科医は必ず必要ですか?
- AA.すべての施術に必ず必要というわけではありません。 しかし、完全に意識を落とすような深い静脈麻酔や、長時間・高侵襲の手術では、麻酔科医管理が必要になる場合があります。 当院では、麻酔科医がいない状態で深い完全静脈麻酔を行う運用はしていません。
- QQ. 術後すぐ帰れますか?
- AA.麻酔の種類や施術内容によります。 静脈麻酔後は、リカバリールームで状態を確認し、意識・呼吸・血圧・吐き気・ふらつきなどが落ち着いてから帰宅となります。
笑気麻酔・静脈麻酔
笑気麻酔
- 注射施術5,000円(税込 5,500円)
埋没・糸リフト・下眼瞼脱脂・バッカルファット単体10,000円(税込 11,000円)
2時間未満の手術20,000円(税込 22,000円)
2時間以上の手術30,000円(税込 33,000円)
浅い鎮静静脈麻酔+笑気
- 2時間未満の手術80,000円(税込 88,000円)
4時間以上の手術100,000円(税込 110,000円)
カプノメーター使用
複数の強い静脈麻薬鎮痛薬+鎮静静脈麻酔+笑気
- 2時間未満の手術100,000円(税込 110,000円)
4時間以上の手術120,000円(税込 132,000円)
カプノメーター+BISモニター使用
麻酔科医によるBIS併用完全静脈麻酔
- 2時間未満の手術200,000円(税込 220,000円)
4時間以上の手術250,000円(税込 275,000円)
カプノメーター+BISモニター+麻酔科専門医による麻酔
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