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アクアフィリング豊胸のリスク|学会が推奨しない理由と除去の考え方

脂肪吸引・脂肪注入の手術

投稿⽇:2026.09.30  最終更新⽇:2026.10.05

「切らずに豊胸できる」「ほとんどが生理食塩水だから安全」といった説明とともに広まったのが、アクアフィリングを用いた豊胸です。手軽さから選んだ方も少なくありません。

しかし現在、日本の関連学会がまとめた美容医療診療指針では、乳房増大を目的とした非吸収性充填剤の注入について「行わないことを強く推奨する」という最も強い表現で注意が示されています。海外の規制機関からも同様の見解が出ています。

この記事では、アクアフィリングとはどのようなものか、なぜ推奨されないのか、すでに注入している場合にどう考えるべきか、そして除去とその後の選択肢までを整理します。

この記事を書いた人

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土屋雄登医師 | 美容外科・皮膚科 Rosa Beauty Clinic 名古屋院⻑

コンプレックスを抱えていた幼少期をきっかけに美容外科医になるも、美容業界の悪しき闇や現実を知る。『本気の美容医療』を正直に提供するために名古屋駅前に開院。
幼少期からクラッシック音楽、絵画等あらゆる美の文化に精通している。
韓国へ頻回に赴き技術研鑽を続ける。リフトアップ施術、目元施術、クマ施術、鼻施術、等すべてを高いレベルで提供する。

資格: アラガン認定医、美容外科学会認定医(JSAS)、韓国糸リフト・目元・鼻整形ディプロマ

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確認したいポイント結論詳細
どんな製剤か?非吸収性の人工的なゲル生理食塩水とポリアクリルアミド系化合物からなり、体内で分解されません。
安全なのか?学会が強く非推奨としている美容医療診療指針で「行わないことを強く推奨する」と示されています。
入れてしまった場合は?症状がなくても相談を合併症は数年後に現れることがあり、早めの確認が勧められます。
除去はできる?可能だが完全とは限らない切開して取り出し洗浄しますが、組織に取り込まれた分は残ることがあります。

この記事でわかること

  • アクアフィリングがどのような製剤で、どう広まったのか
  • 国内外の学会・規制機関がどのような見解を示しているか
  • 吸収されない充填剤を体内に入れることで起こり得る合併症
  • すでに注入している場合に取るべき行動と、除去手術の実際
  • 除去後の選択肢と、これから豊胸を検討する方が確認すべきこと
すでに注入されている方も、これから検討される方もご相談いただけます。まずはカウンセリングでご相談ください。
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Rosa Beauty Clinic 名古屋院/愛知県名古屋市中村区椿町5-10 CORE名駅ビル6階(名古屋駅すぐ)/TEL 052-452-7888/診療時間 10:00〜19:00(不定休)

アクアフィリングとは|成分と広まった経緯

まず、何が体内に入れられているのかを整理します。ここを理解すると、後の合併症の話がつながって理解できます。

何を注入するのか

アクアフィリングは、生理食塩水と、ポリアクリルアミド系の化合物からなる人工的なゲルをバストに注入する方法です。おおむね98%が生理食塩水、残りがポリアクリルアミド系化合物という構成とされています。

「ほとんどが生理食塩水だから安全」という説明がなされることがありますが、問題になるのは残りの成分です。

「切らない豊胸」として広まった

メスを使わず注射だけでボリュームを出せること、ダウンタイムが軽いこと、価格が比較的抑えられることから、手軽な選択肢として広まりました。

「体内で吸収される」「しこりになりにくい」といった説明がなされていたこともありますが、後述のとおり実際とは異なります。

同種の製剤

同じ系統の製剤は、アクアリフト、アクティブジェル、ロスデラインなど別の名称で流通していることがあります。

「柔らかく自然」「ほとんどが生理食塩水」といった説明の注入剤は、同種の製剤である可能性があります。名称だけで判断せず、成分を確認してください。

現在の位置づけ

現在は、多くの医療機関がこの方法での豊胸を行わず、除去手術のみを扱うという状況になっています。次の項目で、その根拠となる見解を確認します。

学会・規制機関が示している見解

個別のクリニックの意見ではなく、公的な性質を持つ団体がどう述べているかを確認しておきましょう。

日本の美容医療診療指針

厚生労働科学研究の枠組みで、美容医療に関わる関連5学会(日本美容外科学会JSAPS・JSAS、日本美容皮膚科学会、日本形成外科学会、日本皮膚科学会)が合同で美容医療診療指針を作成しています。

この指針では、とくにリスクの高い施術に対して「行わないことを強く推奨する」という表現で注意を喚起する方針が取られており、乳房増大を目的とした非吸収性充填剤の注入はこれに該当します。

日本美容外科学会(JSAS)の注意喚起

日本美容外科学会(JSAS)も、ポリアクリルアミド・フィラー使用についての注意を公表しています。

学会レベルで名指しに近い形で注意が示されている施術であるという事実は、判断材料として重く受け止める必要があります。

海外の状況

米国では豊胸目的での使用が承認されておらず、韓国でも2016年に使用を避けるよう勧告が出されています。主要国で豊胸用として認められている製剤ではないという点は共通しています。

日本での承認状況

日本国内でも、豊胸を目的とした医薬品医療機器等法(薬機法)上の承認を受けていません。未承認の医薬品・医療機器を治療に用いる場合、医師が自己責任のもとで個人輸入するという形になります。

この場合、国内の審査を経ていないこと、副作用報告制度や公的な救済制度の対象外となることを理解しておく必要があります。

なぜ問題なのか|吸収されない充填剤という性質

問題の本質は、体内で分解されないものを大量に入れるという点にあります。

体内に分解する仕組みがない

ヒアルロン酸は体内にも存在する成分で、分解する酵素があり、溶解剤で戻すこともできます。一方、ポリアクリルアミド系の化合物には、体内で分解する仕組みがありません。

時間の経過とともに一部は細分化され、免疫細胞に取り込まれるなどして減っていくとされますが、一度に多く注入された場合、体内に残り続ける可能性があります。

移動する(遊走)

注入された部位に留まらず、重力や体の動きによって周囲へ移動することがあります。バストから脇や腹部の方向へ移動した例も報告されています。

移動するということは、周囲の組織に入り込んでいるということであり、この点が除去を難しくする要因にもなります。

しこり・硬結

「しこりになりにくい」とされていましたが、実際には硬結が形成される例が多く報告されています。硬さや形の変化として現れます。

時間が経ってから起こる

合併症の多くは、注入から数年経過してから現れます。受けた直後に問題がなかったからといって、安心できるわけではないという点が重要です。

過去に注入されている方も、状態の確認からご相談いただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。
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起こり得る合併症

具体的にどのような症状が現れるのかを整理します。心当たりがある場合は、早めの受診を検討してください。

変形・左右差

ゲルが移動することで、バストの形が変わる、左右差が大きくなる、不自然な膨らみが別の場所に現れるといった変化が起こります。

感染

注入から数年経過した後でも、突然感染が生じることがあります。授乳、外傷、他の手術がきっかけになることもあります。

発赤、熱感、強い腫れ、発熱、痛みの増悪といった症状は、早期受診が必要なサインです。

乳腺・授乳への影響

乳腺組織の周囲にゲルが広がることで、将来の授乳に影響が出る可能性が指摘されています。妊娠・出産の予定がある方にとっては見過ごせない点です。

乳がん検診への影響

硬結が形成されると、画像検査で腫瘍との鑑別が難しくなることがあります。検診の際は必ず注入歴を申告し、適した検査方法を相談してください。

豊胸歴があっても検診を続けることは、健康を守るうえで欠かせません。

長期的な安全性が確立していない

アクリルアミド誘導体の体内での長期的な影響については、確立した知見が乏しいのが現状です。この不確実性自体が、学会が強く非推奨とする理由のひとつになっています。

すでに注入している場合、どう考えるべきか

不安を感じている方に向けて、現実的な進め方を整理します。

まずは状態を診てもらう

症状がない場合でも、一度専門の医師に相談することが勧められます。自分で触って確認するだけでは、ゲルがどこにどう広がっているかは判断できません。

検査で確認する

超音波検査やMRIによって、ゲルの分布や周囲組織の状態を確認します。どの程度移動しているか、硬結や炎症があるかによって、方針は変わります。

除去を検討する理由

合併症の多くは数年経ってから現れること、時間が経つほど組織に広がり除去が難しくなることから、症状がない段階でも除去を検討する意義があるとされています。

急ぐ必要はないが、放置もしない

今日明日で判断すべきものではありませんが、「何もなければそのまま」という考え方は取りにくい施術です。まずは情報を集め、複数の医師の意見を聞いたうえで判断してください。

こんな症状があれば早めに

硬さが増した、形が変わってきた、痛みが出る、発赤や熱感がある、発熱があるといった変化がある場合は、早めに受診してください。

除去を検討されている方のご相談も承っています。ご希望の日時をお選びのうえご予約ください。
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除去手術について

除去を選ぶ場合、どのような手術になるのかを確認しておきましょう。

基本的な方法

わきの下などを切開してゲルを取り出し、内部を洗浄するというのが基本的な流れです。注入されたゲルは液状に近い状態であることが多く、吸引と洗浄を組み合わせて除去します。

範囲や状態によって、麻酔の方法や手術時間は変わります。

完全には取り切れない場合がある

組織に取り込まれた分や、広く移動した分は完全には取り切れないことがあります。「100%取り除ける」という説明には慎重になったほうがよいでしょう。

何をどこまで目指す手術なのかを、事前に具体的に確認してください。

ダウンタイム

切開を伴うため、痛みは1〜2週間、内出血は2〜4週間、腫れは1〜3か月が目安になります。形が落ち着くのは術後3〜6か月と考えておくと安心です。

傷跡は術後1か月ほど赤みが出て、3〜6か月かけて白い線に変化していきます。当院でも切開を伴う手術では同じ経過をご説明しており、完全に消えるわけではない点は理解しておく必要があります。

除去後のボリューム

ゲルを取り出した分、バストのボリュームは減ります。皮膚が伸びていた場合は、たるみが目立つこともあります。

この点をどう受け止めるかによって、次の項目の選択が変わります。

除去後の選択肢

除去したあとをどうするかまで含めて考えると、判断がしやすくなります。

そのまま経過を見る

人工物のない状態に戻し、自然な形に落ち着くのを待つという選択です。まずは炎症や組織の状態が落ち着くことを優先するという考え方は、医学的には最も無理がありません。

脂肪注入に切り替える

自分の脂肪を注入してボリュームを補う方法があります。当院の脂肪注入では大腿部から脂肪を採取し、ボリュームアップにはCRF(18G)、細かいシワや肌質改善にはナノファット(30Gの極細針)を使い分けています。定着した脂肪は半永久的な効果が期待できます。

ただし、一度に大量を1か所へ入れるとしこりや石灰化の原因になるため、量と層のコントロールが重要です。除去直後の組織の状態によっては、期間をあけてからの判断になります。

シリコンバッグを検討する

除去と同時、あるいは期間をあけてバッグを挿入するという選択もあります。ただし炎症や感染がある場合は、まず落ち着かせることが優先されます。

判断のタイミング

除去と同時に次の処置を行うか、いったん落ち着かせてから判断するかは状態によって変わります。同時に行うほうが手術回数は減りますが、組織の状態が整っていなければ勧められません。

除去後の選択肢についてもご提案できます。疑問点はご遠慮なくお尋ねください。
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これから豊胸を検討する方が確認すべきこと

同じような選択を繰り返さないために、宣伝文句の見方を整理しておきましょう。

「吸収される」「安全」という説明を鵜呑みにしない

「ほとんどが生理食塩水」「体内で吸収される」「しこりにならない」といった説明は、実際と異なる場合があります。製剤名だけでなく、成分と、吸収されるのかどうかを確認してください。

承認状況と入手経路を確認する

国内で承認されている製剤・製品か、承認されていない場合はどのような経路で入手しているのかを確認しましょう。未承認の場合、副作用報告制度や公的な救済制度の対象外となります。

学会の見解に沿った方法か

乳房増大を目的とした非吸収性充填剤の注入は、関連学会の指針で行わないことが強く推奨されています。提案された方法がこれに該当しないかを確認してください。

判断を急がない

「切らない」「今日から効果が出る」といった手軽さを強調する説明ほど、リスクの説明が十分かどうかを確認する必要があります。

良い面だけでなく、起こり得ることまで説明があるかは、医療機関を選ぶうえで最も重要な判断材料になります。

方法の選び方についてのご質問にもお答えします。お気軽にお問い合わせください。
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まとめ|手軽さの裏にある長期的なリスク

アクアフィリング豊胸は、手軽さを理由に選ばれてきた一方で、体内で分解されない充填剤を大量に入れるという性質から、長期的なリスクが指摘されています。

  • 製剤:生理食塩水とポリアクリルアミド系化合物からなる非吸収性のゲル
  • 学会の見解:乳房増大目的の非吸収性充填剤注入は「行わないことを強く推奨」
  • 問題点:分解されず、移動し、しこりを作り、数年後に合併症が現れる
  • すでに注入している場合:症状がなくても一度相談し、検査で状態を確認する
  • 除去:可能だが完全とは限らず、除去後のボリューム減少も想定しておく

すでに注入している方は、過度に不安になる必要はありませんが、放置せず一度確認してください。そして、これから検討する方は、手軽さを強調する説明ほど慎重に判断していただければと思います。

Rosa Beauty Clinic 名古屋院は名古屋駅から通いやすい立地で、美容医療のご相談を承っています。バストに関するお悩みも含め、まずは今の状態とご希望を整理するところから始めてみてください。

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