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単純に見えて奥が深い糸リフトついてのお話①

美容外科リフト・輪郭・小顔

2022.07.21

本日は糸リフトについてお話をしようと思います。

こんにちは。土屋です。
糸リフトは今ではリフトアップの代名詞として、一般の方にも認知をされてきており、
切開リフトなどの侵襲の強い手術と比較してダウンタイムも短い傾向にあるので、世界中で行われています。

ただし、HIFUや糸リフト、切開リフトはまったく違う施術なので、同じ効果をもたらすわけではありません。
糸リフトの器具についてお話するまえに さらっとそこについて触れておきます。

HIFU ⇒ タイトニング お肉を焼くと、縮みますよね。それと同じです、お肉を焼いても斜め上に動いたりはしませんよね、HIFUの打ち方で少しだけリフトアップすることはできますが。主な効果はタイトニング引き締めです。定期的に行うことで、たるみを予防するようなイメージです。

糸リフト ⇒ 軽度のリフトアップとコラーゲン等の産生促進 こちらは手術によって、斜め上に引き上げの力を加えながら糸を挿入するので、軽度のリフトアップをします。但し、皮膚を切除しているわけではないので、しっかりとしたリフトアップは3~6か月ほどで、1年経てば10%未満くらいしかリフトアップは残りません。しかし、挿入した糸の周りには刺激により、コラーゲンやエラスチンなどの繊維が増生されるので、たるみにくくなります。これを積み重ねてたるみにくくしていきます。

切開リフト ⇒ っかりとしたリフトアップ こちらは手術によって、SMASを引き上げ、余剰皮膚を切除していきます。たるんだ皮膚を切除するので、時間の巻き戻しのようなイメージです。但し、縫合した皮膚は次の日からまた少しずつたるんでいきます。切開リフトをしたら、一生たるまないわけではないのです。

上記のことから、HIFU糸リフト切開リフトは同じ軸で語られることが多いですが、別物で、組み合わせで治療をしていきます。切開リフト後も糸リフトHIFUは重要です。


今日はその中でどこでもやっている糸リフトがとても奥が深いということを少しでもお伝えできればと思います。

糸リフトはどこでもやっている施術で、また美容外科医になって初期の段階で学ぶ施術となります。
僕自身も初期の段階からやっていますが、僕はかなりオタク気質なので、取り合えず糸を入れればいいってもんじゃないだろと思ってはいましたが、学べば学ぶほど、奥が深いと感じますし、まだまだ技術も知識も進歩させていかなければならない施術だと思います。

大手だとなぜだか上から情報が開示されず、美容外科医自身が、なんの素材のどの太さの糸をどのように入れればよいかもわかっていない状態で入れていることがあるような印象がしますし、
僕も最初はそうでした。上から促されるままの糸を使って、その中での成果のみを追求していました。
それなりに患者さんからも満足を頂いていたので、自分ってそれなりに糸できるんじゃないかと勘違いをしていました。
しかし、美容整形先進国である、韓国へ勉強へ行き、糸リフトの工場にも行きました。
韓国では挿入技法がたくさんあり、日本で有名な糸はほとんど使用されておらず、様々な糸の形が生み出されており、
井の中の蛙だなと恥を知りました。
ただし、日本で多く使用されている糸は糸の太さが細いものが多く、ダウンタイムが短いため、ダウンタイムを韓国よりも気にをする日本では依然として有用と言え、どちらが絶対良いではなく、患者さんの背景に応じた治療が必要だと強く感じています。

糸リフトを使用する器具の様々な違いについて


①糸の種類

僕が今すぐ撮影できるPDOだけでもこれだけあります。PCL、PLAの在庫も出すともっとあります。
ちなみに僕はオタク度MAXなので、触ればどの会社の糸で、どの太さかわかります。麻雀はもうやらなくなりましたが、盲牌と同じ要領です⇐

②PLA、PDO、PCLの糸の硬さの違い

糸の材質により、硬さが変わり、それにより、リフトアップ力、挿入時の違和感、糸が溶けるまでの期間が違ってきます。
現状 PDO、PCL、PLA が主流としてあり、 PCL+PLA の合材もあります。当然、PCLPLAの配分で硬さは変わります。
PLA>PDO>PCL の順番で硬さがあり、写真のように PLA は重力に逆らって上に立つほど硬度があります。
組織把持力は上の順番で強いですが、維持力はそうとも言えず、どれが一番良いという結果は現状ありません。
挿入後の違和感も基本的には硬さに比例しますが、それは同じ太さの糸を入れた場合で、
PLA の細い糸と PDO の太い糸であれば、違和感の強さは逆転する可能性もあります。
個人的には PCL+PLA の合材がより進んでいいとこどりができないかと期待しています。
でもそれだったら結局 PDO の少し分解までの時間が長いVerのようになってしまうのか、、、難しいものです。

③カニューレの先端の違い

糸リフトを入れる針(カニューレ)の先端にも違いがあり、操作性のちがい、組織の侵襲度の差があります。

④糸の先端の違い

先程の③と似ているのですが、糸の先端も違いがあります。こちらは操作性、糸の最終到達点、ひっかかりの始まりが変わってくるので、医師自身がどちらのものを使用していて、どこに到達点をおいて、どのようにひっかけてきたいかをデザインの際に反映させる必要があります。

⑤糸の太さの違い

糸リフトには USP2-0~USP3 の太さの糸を使用します。
USPとは米国薬局方の規格で、上記の場合はUSP2-0、1-0、0-0、1、2、3の6種類の太さがあるという事です。上の図は左からUSP2-0、0、1、2の糸です。
当然太くなればリフトアップ力はあがりますが、違和感や、引き連れの可能性は上がっていきます。
どの年代の方に、どの部位に、どの太さの糸を使用するのかが重要になってきます。

⑥糸の形の違い

上記は同じUSP(太さ)の糸になりますが、形が全然違います。
左から COG型ARROW(矢状)型TOOTH型(鋸歯状)です。
元々はMONO型という何も引っ掛かりのない糸がつくられ、
2番目にSCREW型というMONOをスプリング状にした糸がつくられ、
3番目にCOG型が登場しました。COG型はMONOの糸に切れ込みを入れて、引っ掛かりをつくってあります。
引っ掛かりがあることで、組織をひっかけ、リフトアップさせていきます。ただし、欠点として切れ込みをいれているので、ささむけのようにだんだんと糸の切れ込みがピーリング(皮むけ)されていくので、長期間のリフトアップが難しいことが課題でした。
4番目にARROW型、5番目にTOOTH型がつくられ、現在研究が行われています。
ARROW型TOOTH型はMOLDING(鋳型)タイプと言われていて、3番目のCOG型のように切れ込みを入れるのではなく、鋳型を作成して、プレスをすることにより形を作り出しています。ピーリングすることがないので、COG型よりも長時間のリフトアップが可能になりました。抗張力も増しています。ただし、一時的なディンプリング(陥凹)の確立はあがるのでそれを加味して使用しなければいけません。
僕はCOG型ARROW(矢状)型TOOTH型(鋸歯状)を部位に応じて使い分けています。


ARROW型の利点

①のARROW型と②のCOG型は同じUSPサイズ(太さ)です。
ARROW型の利点として、MOLDINGされているのもあり、
図の①のようにプレス面はARROW型になっていますが、
図の①´のように側面は②のCOG型と比較して、かなり薄くなっています。
これを利用して、太いサイズの糸を側頭部などの違和感を感じやすい部分に入れた時に
COG型と比較して少しですが、違和感がでにくくなります。

ARROW型の移行部位の違い

上の図は全て同じUSPサイズ(太さ)のARROW型の糸ですが、
ARROW型の糸は、三角形の矢みたいな形が実は途中で反転しています。これを双方向性の糸と言って、移行部分に組織を集めるような動きでリフトアップさせていきます。なので、移行部位が何センチの所にあるのかがとても大事なのです。どの部位にリフトアップをかけていき、どの部位に反転した引っ掛かりをかけていくのかデザインが重要です。

TOOTH型の違い

ここらへんになってくるとオタク度がましてくるのですが、上の図は全て同じUSPサイズ(太さ)のTOOTH型の糸ですが、全部少しずつ組織への引っ掛かり具合が違います。
左のTOOTH型はTOOTHの部分が若干引っ掛かりが甘く、マイルドにリフトアップをかけれます
真ん中のTOOTH型はTOOTHの部分の引っ掛かりが強く、陥凹面積が大きいため糸がしなりやすいです。
一番右のTOOTH型はTOOTHの部分の引っ掛かりは左と同様で、陥凹面積が少ないためややフレックスが弱く硬い印象です。

ここまで紹介しましたが、まだまだ、針が両端についているDOUBLE ARMだったり、糸がMESH型になっていたり、糸が2重になっていて挿入後にロックして使うような糸だったり、たくさんあります。

今日紹介した違いは基礎の初歩の初歩です。ですが、器具の違いだけで何千、何万通りあって、それを何種類かの挿入手技を組み合わせて、部位によって、挿入方法を変え、正しい層に挿入していく。考えただけでも壮大過ぎて眩暈がしそうです。。。まだまだ探求は続きます。。。


糸の挿入は確かに誰でもすぐやれるようになるけど

”誰がやっても同じ”では絶対にないのです。

とりあえず糸の挿入がやれるのと、適切なデザインで、適切な糸で、正しい層に挿入できるかはまた別物で

それによって効果は変わってきます。

誰がやっても一緒と言えてしまう集団は昔の僕のように井の中の蛙かもしれません、、、⇐(小声)

どこでも糸でリフティングさせていく技術を目の当たりにすると上には上がいるものだと思いますし、美容医療はとんでもないスピードで発展していっているので、日々勉強と思います。

糸リフトだったり、埋没法だったり、ボトックスだったり、手技が簡単な施術程、奥が深くて、難しいんです。


次回は特殊な糸や今回少し触れたMONO型やSCREW型も過去の産物になったのではなく、有用に使用されている事を紹介していこうと思っています。


これからも患者さんにより良い医療を提供できるよう研鑽、邁進していきます。


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